キュービクル更新の工事の流れとは?停電を最小限にする進め方
キュービクルの更新で最も気にされるのが「どれくらい止まるのか」です。生産ラインを持つ工場では、停電時間が長引くほど損失が積み上がります。この記事では、更新工事の全体の流れと、停電を短くするための実務的な工夫を解説します。
キュービクル更新工事の6つのステップ
計画から完了までにかかる期間の目安
実際に停電が必要になるのはどの工程か
停電時間を短縮する4つの方法
キュービクル更新工事はどのくらいの期間がかかる?
キュービクル更新は、現地調査から引渡しまで数か月を要するのが一般的で、そのうち実際に停電するのは1日から数日です。期間の大半は機器の製作と、電力会社や関係者との調整に費やされます。
キュービクルは受注生産品であり、容量や仕様に応じて製作されます。近年は部材の調達状況によって製作期間が変動することもあるため、更新を決めてから即座に着工できるわけではない点に注意が必要です。
キュービクル更新工事の流れ
ステップ1:現地調査
既設設備の設置年、機器の型式、劣化状況を確認します。あわせて次の点を調べます。
搬入経路(トラックの進入可否、クレーンの設置スペース)
基礎の状態と流用可否
高圧ケーブルや接地の状態
PCB含有機器の有無
停電可能な曜日・時間帯
図面が残っていない場合も、現地で構成を確認して設計に反映します。
ステップ2:更新方針の決定と見積り
全面更新か部分更新か、容量を現状維持か変更するかを決めます。ここで容量の妥当性も見直すと、後の増設工事を避けられます。費用の考え方はキュービクル更新の費用相場は?価格を左右する3つの要因をご覧ください。
ステップ3:電力会社との協議・申請
受電容量や受電方式を変更する場合、電力会社への申請と協議が必要です。同容量での更新であっても、工事日程については事前の連絡と調整を行います。この工程は日程の確保に時間がかかるため、早めの着手が肝心です。
ステップ4:機器の製作・調達
仕様が確定してから製作に入ります。この期間中に、停電日の社内調整、協力会社の手配、仮設電源の準備などを並行して進めます。
ステップ5:停電を伴う切替工事
実際の据付・切替作業です。当日の大まかな流れは次のとおりです。
電力会社の区分開閉器(PAS)を開放し、受電を停止
検電・接地を行い、安全を確保
既設キュービクルの解体・撤去
新設キュービクルの据付、高圧ケーブル・低圧幹線の接続
絶縁抵抗測定などの各種試験
受電し、電圧・相確認のうえ負荷を順次投入
ステップ6:試験・引渡し
保護継電器の動作試験を行い、整定値を記録します。竣工図書と試験成績書を受け取り、保安管理を委託している場合は保安管理事業者へも情報を共有します。この記録は次回更新時や事故発生時の判断材料になるため、必ず保管してください。
停電時間を短くする4つの方法
方法1:事前に組み込んだ状態で搬入する
現場で機器を組み立てるのではなく、工場で内部機器を組み込み・配線した完成品を搬入すれば、現地作業は据付と接続に絞られます。停電当日の作業量を最小化する最も基本的な考え方です。
方法2:仮設電源で必要な負荷だけ生かす
仮設発電機を用意し、サーバー・冷蔵設備・防災設備など止められない負荷だけを切り分けて給電します。全体を無停電にするわけではないため、コストを抑えつつ実害を減らせます。
方法3:工程を分割して停電を分散する
キュービクルを新旧並列で設置できるスペースがある場合、新設側を先行して据え付け、切替のみを短時間の停電で行う方法があります。停電時間を大幅に短縮できますが、設置スペースと基礎の条件が前提になります。
方法4:休日・夜間に施工する
操業していない時間帯に集中して作業します。追加費用は発生しますが、生産停止による損失と比較すると有利になるケースが多くあります。
工事前に社内で準備しておくこと
停電の周知:全部門、テナント、警備会社、エレベーター保守会社などへの事前連絡
設備の停止手順の確認:生産設備、空調、サーバーの正しい停止・再起動手順
非常照明・防災設備の確認:停電中の避難経路の明るさ、自動火災報知設備の扱い
復電後の立ち上げ順序:一斉投入は突入電流で不具合を招くため、順番を決めておく
よくある質問(FAQ)
Q. キュービクル更新の停電時間はどれくらいですか?
A. 同容量での更新であれば1日で完了するケースが多く、朝から夕方までの停電が一般的です。設置場所や搬入条件によっては複数日に分かれることもあります。
Q. 完全に無停電でキュービクルを更新できますか?
A. 新旧を並列設置できるスペースがあり、仮設電源を組み合わせれば、実質的な操業停止をほぼゼロにできる場合があります。ただし切替の瞬間には短時間の停電が必要になるのが一般的です。
Q. 工事を決めてからどのくらいで着工できますか?
A. 機器の製作期間と電力会社との日程調整があるため、数か月の余裕を見ておくと安心です。年度末など工事が集中する時期はさらに前倒しの計画をおすすめします。
Q. 土日や夜間の工事にも対応してもらえますか?
A. 対応可能です。操業を止められない工場や物流施設では、休日・夜間の施工が一般的です。停電可能な時間帯をお聞きしたうえで工程を組み立てます。
まとめ
キュービクル更新は、当日の工事よりも事前の計画で成否が決まります。停電をいつ・何時間取れるかを早い段階で共有できれば、それに合わせた工法を選べるためです。
さつき電気商会は自社施工のため、調査から設計、停電計画、施工までを一貫して組み立てられます。名古屋市港区を拠点に工場・倉庫の高圧設備に対応していますので、「この時間帯しか止められない」といったご事情も含めてご相談ください。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。