工場の停電対策・BCPとは?非常用発電機・蓄電池の選び方
受変電設備の更新でリスクを減らしても、災害や電力会社側の事故による停電を完全になくすことはできません。だからこそ、停電が起きた際にどう事業を継続するかという備えが重要になります。この記事では、工場の停電対策の考え方を解説します。
停電対策とBCPの関係
重要負荷の切り分け方
非常用発電機と蓄電池の違い
導入を検討する際のポイント
停電対策とBCPの関係
BCP(事業継続計画)とは、災害や事故などの緊急事態が発生した際に、事業を中断させない、あるいは中断しても早期に復旧させるための計画です。停電対策は、その中でも特に発生頻度が高く、影響が広範囲に及ぶリスクへの備えとして位置づけられます。
受変電設備の老朽化対策や波及事故対策は「停電を起こさない」ための取り組みですが、それでも落雷や電力会社側の事故など、自社の努力だけでは防ぎきれない停電要因が残ります。停電の原因は工場が突然停電する原因は?高圧設備に潜むリスクで詳しく解説しています。
重要負荷の切り分け方
停電対策を考える際、施設内のすべての負荷を同列に扱う必要はありません。まず、停電時にどの設備を優先的に生かすべきかを整理することから始めます。
優先度 | 典型的な負荷の例 |
|---|---|
最優先(瞬時の停電も避けたい) | サーバー、制御システム、生産ラインの重要工程 |
高(短時間内に復旧させたい) | 冷凍・冷蔵設備、防災設備、事務所の最低限の照明 |
低(長時間停止しても支障が少ない) | 一般照明、空調の一部、非稼働エリアの設備 |
この優先順位付けが、後述する非常用発電機や蓄電池の容量・仕様を決める土台になります。
非常用発電機と蓄電池の違い
項目 | 非常用発電機 | 蓄電池(UPS含む) |
|---|---|---|
電源の仕組み | 燃料を使ってその場で発電 | あらかじめ蓄えた電気を放電 |
供給までの時間 | 始動に数秒〜数十秒程度かかる場合がある | 瞬時に切り替え可能(無停電) |
連続稼働時間 | 燃料補給により長時間対応可能 | 蓄電容量に依存し、比較的短時間 |
主な用途 | 比較的長時間の停電への対応 | 瞬時停電の吸収、発電機起動までのつなぎ |
両者は競合するものではなく、組み合わせて使われることが多くあります。サーバーなど瞬時の停電も許されない設備にはUPSで無停電を確保し、発電機が立ち上がるまでのつなぎとする構成が代表的です。
導入を検討する際のポイント
必要な容量:重要負荷の消費電力を積み上げて算定します
燃料の備蓄:発電機の場合、想定する停電時間に対して十分な燃料を備蓄できるか
設置場所:発電機は排気・騒音、燃料保管の観点から設置場所の制約があります
切替方式:手動切替か自動切替か、停電検知から供給開始までの時間
定期的な試運転:いざというときに動かないことを防ぐため、定期試運転が欠かせません
受変電設備の更新や増設のタイミングは、こうした停電対策をあわせて検討する好機でもあります。更新工事の流れはキュービクル更新の工事の流れとは?停電を最小限にする進め方をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 工場全体を非常用発電機でまかなう必要がありますか?
A. 必須ではありません。多くの場合、重要負荷を切り分けて、その分だけをまかなう設計のほうが、費用対効果に優れています。
Q. 非常用発電機は設置すればそれで安心ですか?
A. 定期的な試運転とメンテナンスが必要です。長期間動かしていない発電機は、いざというときに始動しないケースもあるため、日頃の保守が重要です。
Q. 停電対策の検討は誰に相談すればよいですか?
A. 電気設備全体を扱う工事業者にご相談いただくと、受変電設備の更新計画とあわせた総合的な提案が可能です。
まとめ
停電対策は、受変電設備そのものの信頼性向上と、非常時の備えという2つの側面から考える必要があります。重要負荷を明確にし、それに見合った発電機・蓄電池を選ぶことが、過不足のない投資につながります。
さつき電気商会では、受変電設備の更新とあわせた停電対策のご相談を、名古屋市港区を拠点に承っています。BCPの検討を始めたばかりの段階でも、お気軽にご相談ください。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。