受電容量の見直しでコストはどう変わる?判断の目安
受電容量の見直しを検討する際、多くの方が最初に気にするのがコストです。しかし「安くなるか高くなるか」は一言で答えられるものではなく、初期費用と維持費用を分けて考える必要があります。
見直しで発生する初期コスト
見直しで変化する維持コスト
高圧化・低圧化それぞれのコスト構造
判断の目安
見直しで発生する初期コストは?
受電方式を変更する場合、次のような初期費用が発生します。
方向 | 主な初期コスト |
|---|---|
低圧から高圧へ | キュービクル新設費用、高圧引込工事費用 |
高圧から低圧へ | キュービクル撤去費用、低圧引込への切替工事費用 |
容量のみ変更(高圧のまま) | 変圧器の容量変更工事費用(増設・減設) |
特に高圧化の場合、キュービクルの新設は数百万円規模の投資になることが一般的です。工事費用の内訳はキュービクル更新の費用相場は?価格を左右する3つの要因も参考になります(更新工事と新設工事は費用構造が共通する部分が多くあります)。
見直しで変化する維持コストは?
維持コストで最も影響が大きいのは、保安管理費用と基本料金です。
保安管理費用:高圧受電では電気主任技術者の選任(外部委託の場合は保安管理費用)が必要です。低圧化するとこの費用がなくなります
基本料金:契約電力に応じて決まります。過大な契約は無駄なコストに、過小な契約は供給不足のリスクになります
電力量単価:一般的に高圧のほうが低圧より単価が低く設定されています
設備更新の将来費用:高圧設備を持つ限り、将来的な更新費用が発生し続けます
高圧化・低圧化それぞれのコスト構造
高圧化した場合
初期費用は大きくかかりますが、電力量単価が下がるため、使用電力量が多い場合は長期的に有利になる可能性があります。ただし保安管理費用と将来の設備更新費用という継続的なコストが発生します。
低圧化した場合
撤去費用はかかりますが、以降は保安管理費用と設備更新費用がなくなります。一方で電力量単価は高圧より高くなる傾向があり、使用電力量が多いとかえって割高になる可能性があります。
判断の目安
コストだけで判断する場合、「初期費用を何年で回収できるか」という視点で比較すると、感覚的な判断より客観的になります。
低圧化を検討する場合:保安管理費用の削減額 ÷ 撤去費用 で、おおよその回収年数を試算
高圧化を検討する場合:電力量単価差による削減額 ÷ 新設費用 で、おおよその回収年数を試算
ただし、これらの試算はあくまで目安です。実際の電力量単価や工事費用は契約内容・現場条件によって異なるため、正確な判断には電力会社への確認と、工事業者による現地調査・見積りが不可欠です。
よくある質問(FAQ)
Q. 見直しの費用対効果は自分で計算できますか?
A. おおまかな目安であれば、保安管理費用や電力量単価の差から試算できます。ただし正確な数値は電力会社の契約プランと現場条件によって変わるため、見積りとあわせて確認することをおすすめします。
Q. 初期費用を分割で支払うことはできますか?
A. 支払い条件は契約内容によります。まとまった投資が難しい場合は、部分更新など段階的な進め方をご相談いただくことも可能です。
Q. 補助金は使えますか?
A. 省エネ性能の高い設備への更新など、条件によっては国や自治体の補助制度が利用できる場合があります。詳しくは高圧設備の更新・容量変更に使える補助金は?省エネ制度の調べ方をご覧ください。
まとめ
受電容量の見直しにおけるコストは、初期費用と維持費用を分けて考えることで見えやすくなります。目先の初期費用だけで判断せず、何年で回収できるかという視点を持つことが、無理のない意思決定につながります。
さつき電気商会では、現地調査のうえで、初期費用と維持費用の両面から見た概算をご提示しています。名古屋市港区を拠点に対応していますので、コスト面での比較検討からお気軽にご相談ください。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。