受電設備容量の見直しとは?高圧・低圧切り替えの判断ポイント
「今の契約電力は本当に自社の実態に合っているのか」——これは、設備投資や生産体制の変化があった工場で、意外と見落とされがちな確認事項です。この記事では、受電設備容量を見直す際の考え方を整理します。
受電容量の見直しが必要になるきっかけ
契約電力の考え方
高圧・低圧切り替えを判断するポイント
見直しの進め方
受電容量の見直しが必要になるきっかけは?
受電容量の見直しは、実際の使用電力と契約している容量にずれが生じたときに必要になります。ずれの方向によって、検討すべき対応は逆になります。
状況 | 検討すべき方向 |
|---|---|
生産設備の増設で電力使用量が増えた | 容量の増設、場合によっては低圧から高圧への切り替え |
生産縮小・省エネ化で電力使用量が減った | 容量の削減、場合によっては高圧から低圧への切り替え |
設備は変わっていないが基本料金が高いと感じる | 契約電力の妥当性の確認(デマンド値の分析) |
契約電力の考え方
電力会社との契約は、実際に使用したピーク電力(デマンド値)をもとに決まる仕組みが一般的です。使用実態に対して契約電力が過大だと、使っていない分の基本料金を払い続けることになります。逆に過小だと、ピーク時に電力が不足し、生産に支障が出るおそれがあります。
月次点検で記録されているデマンド値の推移を確認すると、契約電力に対してどの程度の余裕があるかが把握できます。慢性的に契約電力に近い、あるいは超過が発生している場合は、容量の見直しが必要なサインです。
高圧・低圧切り替えを判断するポイント
契約電力が概ね50kWを境に、低圧受電と高圧受電の選択が変わります。この境界の詳しい考え方は高圧と低圧の違いとは?50kWで変わる受電方式と保安義務で解説しています。
50kW前後を下回る見込みなら:低圧受電への切り替えで、電気主任技術者の選任や定期点検が不要になり、保安面の固定費を抑えられます(高圧受電から低圧に切り替えるには?)
50kWを超える、または将来超える見込みなら:高圧受電への切り替えが必要になります(低圧から高圧受電への変更とは?)
切り替えにはキュービクルの新設・撤去という大きな工事が伴うため、目先の電力使用量だけでなく、数年先の事業計画も踏まえて判断することが重要です。コストの変化については受電容量の見直しでコストはどう変わる?判断の目安で解説しています。
見直しの進め方
過去1年程度のデマンド値・使用電力量の推移を確認
今後の設備投資・生産計画の有無を整理
契約電力の見直しだけで済むか、受電方式(高圧・低圧)の変更が必要かを判断
電力会社・工事業者に相談し、影響範囲と概算費用を確認
よくある質問(FAQ)
Q. 契約電力を下げるだけなら工事は不要ですか?
A. 受電方式(高圧・低圧)を変えない範囲での契約電力の変更であれば、多くの場合、電力会社との契約変更のみで対応でき、大掛かりな工事は不要です。ただし変圧器の容量が過大な場合は、設備側の見直しも検討の余地があります。
Q. デマンド値はどこで確認できますか?
A. 保安管理を委託している場合、月次点検の記録やデマンド監視装置のデータで確認できます。電力会社の検針票やWebサービスでも使用実績を確認できる場合があります。
Q. 見直しの相談は誰にすればよいですか?
A. 契約電力の変更については電力会社への相談が基本ですが、受電方式の変更を伴う場合は、工事を担う電気工事業者を交えた検討が必要です。設備面と契約面を合わせてご相談いただけます。
まとめ
受電容量の見直しは、「電気代を見直す」という単純な話ではなく、事業の実態に設備を合わせるという経営判断です。デマンド値の推移という客観的なデータをもとに、将来の計画も含めて検討することが、無駄のない設備投資につながります。
さつき電気商会では、デマンド値の確認から、高圧・低圧の切り替えを含む設備変更まで、名古屋市港区を拠点に一貫してご相談いただけます。まずは現状の使用電力の確認からお気軽にどうぞ。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。