電気主任技術者の選任義務とは?外部委託(保安管理)の方法
高圧受電を行う事業者に課される義務の中でも、特に実務的な対応が必要になるのが電気主任技術者の選任です。この記事では、選任義務の内容と、多くの中小企業が利用している外部委託の方法を解説します。
電気主任技術者の役割
選任の2つの方法(自社選任・外部委託)
外部委託承認制度の要件
委託先を選ぶ際のポイント
電気主任技術者とは?
電気主任技術者とは、自家用電気工作物の工事・維持・運用に関する保安の監督を行う、国家資格を持つ技術者です。第一種から第三種まであり、扱える電圧の範囲によって区分されています。一般的な高圧受電設備(電圧7,000V以下)では、第三種電気主任技術者で対応可能な範囲が中心になります。
選任の2つの方法
方法1:自社での選任
自社で電気主任技術者の資格を持つ従業員を選任し、常駐または兼任させる方法です。設備の規模が大きい、あるいは24時間体制での監視が必要な事業場で選ばれることが多い方法です。
方法2:外部委託承認制度の利用
一定の要件を満たせば、外部の保安管理事業者(電気管理技術者や電気保安法人)と委託契約を結び、産業保安監督部長の承認を受けることで、自社での選任を省略できます。中小規模の事業場では、この方法が広く利用されています。
出典:中部近畿産業保安監督部近畿支部「保安管理業務外部委託承認申請」
https://www.safety-kinki.meti.go.jp/electric/jikayou/gaibuitaku.html
外部委託承認制度の要件
外部委託を利用するには、主に次の要件を満たす必要があります。
委託先の実務経験:委託契約先(保安業務従事者)が、電気主任技術者免状の交付を受けたうえで、一定期間の実務経験を有していること
委託先の設備・体制:点検に必要な機械器具を保有していること
点検頻度の遵守:自家用設備に応じた適切な頻度で点検を行うこと
産業保安監督部長の承認:委託契約書等を添えて申請し、承認を受けること
出典:公益社団法人日本電気技術者協会「保安管理業務外部委託承認制度について」
https://www.jeea.or.jp/course/contents/11201/
この制度を利用する場合、実際の申請手続きは委託先の保安管理事業者が主導して進めることが一般的です。設置者側は委託契約の締結と、必要書類への押印・提出を行います。
委託先を選ぶ際のポイント
実務経験・資格の確認:法令上の要件を満たしているか
緊急時の対応体制:夜間・休日のトラブル時に連絡・駆けつけが可能か
点検頻度と内容の説明:契約前に点検内容・頻度について明確な説明があるか
工事業者との連携:点検で指摘された改修工事について、スムーズに相談できる体制があるか
保安管理事業者と工事業者が別々の場合、点検での指摘から改修工事までの間に情報伝達のロスが生じることがあります。この点については電気工事を自社施工の会社に頼むメリットとはもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 外部委託にすると自社では何も対応しなくてよいのですか?
A. 日常的な保安業務は委託先が担いますが、設置者としての最終的な責任は事業者側に残ります。点検結果の確認や、指摘事項への対応判断は設置者が行う必要があります。
Q. 委託先を途中で変更することはできますか?
A. 可能です。契約内容や解約条件は委託先ごとに異なるため、契約時に確認しておくことをおすすめします。
Q. 外部委託の費用相場はどのくらいですか?
A. 設備の規模や契約内容によって異なります。複数の保安管理事業者から見積りを取って比較することをおすすめします。
まとめ
電気主任技術者の選任は法令上の義務ですが、外部委託承認制度を利用することで、多くの中小規模の事業者が自社での有資格者雇用なしに対応しています。委託先選びでは、資格要件だけでなく、緊急時の対応体制や工事業者との連携も重要な確認ポイントです。
さつき電気商会では、保安管理事業者と連携しながら、点検での指摘事項に対する改修工事を、名古屋市港区を拠点に自社施工で対応しています。委託先との連携についてのご相談もお気軽にどうぞ。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。
最終更新日:2026年8月7日