コラム

Column

自家用電気工作物とは?高圧受電する事業者の義務を解説

事故・法令・点検・PCB 高圧受変電設備の基礎知識

高圧で電気を受電すると、事業者は電気事業法上「自家用電気工作物の設置者」という立場になります。この記事では、自家用電気工作物とは何か、どのような義務が課されるのかを解説します。

  • 自家用電気工作物とは何か

  • 自家用電気工作物に該当する設備

  • 設置者に課される3つの義務

  • 義務を怠った場合の扱い

自家用電気工作物とは?

自家用電気工作物とは、電気事業法上の電気工作物の区分の一つで、高圧・特別高圧で受電する需要設備など、一般用電気工作物や事業用電気工作物(発電事業者等の設備)以外の電気工作物を指します。一般的な高圧受電を行う工場・倉庫・商業施設の設備は、ほとんどがこの区分に該当します。

低圧で受電する一般家庭や小規模店舗の設備は「一般用電気工作物」に区分され、保安の責任は主に電力会社側が担います。これに対し、高圧受電になると、責任分界点より構内側の設備は事業者自身が保安を確保する義務を負う「自家用電気工作物」に切り替わります。

自家用電気工作物の設置者に課される3つの義務

義務1:保安規程の作成・届出

設備の工事、維持、運用に関する保安を確保するための規程(保安規程)を作成し、経済産業大臣(実務上は産業保安監督部)に届け出る義務があります。点検の方法や緊急時の体制などを定めた、いわば設備の安全運用マニュアルです。

義務2:電気主任技術者の選任

保安の監督を行う電気主任技術者を選任する義務があります。自社で有資格者を雇用する方法のほか、要件を満たせば外部の保安管理事業者に委託し、選任を省略する「外部委託承認制度」を利用することもできます。詳しくは電気主任技術者の選任義務とは?外部委託(保安管理)の方法をご覧ください。

義務3:保安規程に基づく点検の実施

保安規程に定めた頻度・内容で、設備の点検を実施する義務があります。一般的には、通電したまま行う月次点検と、停電させて行う年次点検を組み合わせて実施します。点検の内容は月次点検と年次点検の違いとは?点検内容をわかりやすく解説で解説しています。

義務を怠った場合の扱い

これらの義務は電気事業法に基づくものであり、履行しない場合、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。また、義務を怠った結果として事故が発生した場合、責任の所在がより厳しく問われることも考えられます。

実務上は、多くの中小規模の事業者が外部の保安管理事業者と契約し、電気主任技術者の選任と点検の実施を委託することで、これらの義務に対応しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 低圧受電の設備にも自家用電気工作物としての義務はありますか?

A. 一般的な低圧受電(一般用電気工作物)では、これらの義務は課されません。自家用電気工作物としての義務が発生するのは、主に高圧・特別高圧で受電する場合です。

Q. 保安規程は自分で作成できますか?

A. 作成は可能ですが、法令の要件を満たす内容にする必要があるため、電気主任技術者や保安管理事業者と相談しながら作成するのが一般的です。

Q. 電気主任技術者は必ず自社で雇用しなければなりませんか?

A. 一定の要件を満たせば、外部委託承認制度を利用して外部の保安管理事業者に委託でき、多くの中小規模の事業者がこの方法を利用しています。

まとめ

高圧受電を行う事業者は、自家用電気工作物の設置者として、保安規程の届出、電気主任技術者の選任、定期点検の実施という3つの義務を負います。これらは形式的な手続きではなく、事故を未然に防ぐための実務的な仕組みです。

さつき電気商会では、これらの義務に関するご相談や、保安管理事業者との連携も含めた設備管理のサポートを、名古屋市港区を拠点に行っています。義務の内容について不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

関連記事

監修:株式会社さつき電気商会 技術部

名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。

CONTACT

お問い合わせ

高圧設備の更新・点検・修理のご相談は

調査・お見積りは無料で承ります。まずは現状をお聞かせください。

call お電話でのお問い合わせ
TEL : 052-398-6777

受付時間:9:00 - 18:00(土日祝休)

mail メールでのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ