月次点検と年次点検の違いとは?点検内容をわかりやすく解説
保安管理事業者から届く点検報告書には、「月次点検」と「年次点検」という言葉が出てきます。この2つは何が違うのか、それぞれ何を確認しているのかを解説します。
月次点検と年次点検の基本的な違い
月次点検の内容
年次点検の内容
点検結果の見方
月次点検と年次点検の基本的な違い
月次点検は設備を稼働させたまま(通電状態で)行う点検、年次点検は設備を停止させた(停電させた)状態で行う、より詳細な点検です。役割が異なるため、どちらか一方で済ませることはできません。
項目 | 月次点検 | 年次点検 |
|---|---|---|
頻度の目安 | 毎月1回(延伸制度利用時は3か月に1回) | 年1回 |
停電の有無 | 不要(通電状態) | 必要 |
主な内容 | 外観確認、簡易測定 | 絶縁抵抗測定、動作試験など詳細な確認 |
点検頻度の法的な位置づけについては高圧設備の保安点検は義務?電気事業法で定められた点検頻度で解説しています。
月次点検の内容
月次点検は、通電したままの状態で確認できる項目が中心です。
キュービクル内外の外観確認(変色、異音、異臭、異常な発熱)
負荷電流・電圧の測定
絶縁監視装置(漏電の兆候を検知する装置)の確認
力率の確認
周囲環境の確認(樹木の接触、小動物侵入の痕跡など)
年次点検の内容
年次点検は、停電させることで初めて確認できる、より詳細な項目です。
絶縁抵抗測定(ケーブル・機器の絶縁状態の確認)
接地抵抗測定
保護継電器の動作試験(模擬的な異常信号を入力し、正しく遮断器を動作させるか確認)
GR付きPASの動作試験
端子部の増締め、清掃
遮断器・開閉器の動作確認
年次点検で行う保護継電器の動作試験は、波及事故を防ぐ観点からも特に重要です。詳しくは波及事故を防ぐには?日常点検と設備更新のポイントをご覧ください。
点検結果の見方
点検報告書を受け取ったら、次の点を確認することをおすすめします。
「指摘事項」「要注意」欄の有無:早急な対応が必要な項目がないか
絶縁抵抗値の経年推移:単年の数値だけでなく、過去数年分と比較して低下傾向がないか
動作試験の結果:不動作・誤動作の記録がないか
点検で指摘を受けた場合の対応の進め方は点検で指摘を受けたら?高圧設備の改修の進め方で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 月次点検だけで年次点検は省略できますか?
A. 省略できません。月次点検では確認できない絶縁抵抗や保護継電器の動作といった項目は、年次点検でしか確認できないため、両方を組み合わせて実施する必要があります。
Q. 年次点検の停電時間はどのくらいですか?
A. 設備の規模や試験項目によりますが、半日から1日程度かかるのが一般的です。休日に実施されることが多くあります。
Q. 点検報告書はどのくらいの期間保管すべきですか?
A. 経年の劣化傾向を把握するための重要な記録のため、できるだけ長期間の保管をおすすめします。保管期間の詳細は保安管理事業者にご確認ください。
まとめ
月次点検と年次点検は、それぞれ確認できる範囲が異なり、組み合わせることで初めて設備の状態を総合的に把握できます。点検報告書は受け取って終わりではなく、経年の変化を追うことで、更新時期の判断材料としても活用できます。
さつき電気商会では、点検結果を踏まえた改修・更新のご提案も、名古屋市港区を拠点に行っています。点検報告書の内容についてのご相談もお気軽にどうぞ。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。
最終更新日:2026年8月7日