断路器(DS)・高圧負荷開閉器(LBS)とは?役割と違いを解説
キュービクルの中には見た目の似た開閉機器がいくつも並んでいますが、それぞれ果たせる役割が明確に異なります。この記事では、断路器(DS)と高圧負荷開閉器(LBS)の違いを、遮断器との比較も交えて整理します。
断路器(DS)の役割
高圧負荷開閉器(LBS)の役割
DS・LBS・VCBの違い一覧
更新推奨時期の目安
断路器(DS)とは?
断路器(DS:Disconnecting Switch)とは、無負荷(電流が流れていない)状態で回路を開閉するための機器で、点検時に機器を電源から確実に切り離すために使われます。
断路器には、電流を遮断する消弧機能がありません。そのため、電流が流れたまま開放すると、接点間にアークが発生し危険です。年次点検の際は、必ず遮断器や開閉器で先に電流を切ってから断路器を開放するという手順が守られます。
高圧負荷開閉器(LBS)とは?
高圧負荷開閉器(LBS:Load Break Switch)とは、通常の負荷電流であれば開閉できる機器で、変圧器や進相コンデンサの一次側の開閉に使われます。断路器と異なり、多少の消弧能力を持つため、負荷がかかった状態でも開閉できます。
ただし、LBSにも短絡電流のような大きな事故電流を遮断する能力はありません。多くの場合、LBSは限流ヒューズ(PF)と組み合わせて使われ、ヒューズが大電流の遮断を担い、LBSが通常の開閉を担う、という役割分担になっています。
DS・LBS・VCBの違い一覧
機器 | 無負荷開閉 | 負荷電流の開閉 | 事故電流の遮断 |
|---|---|---|---|
断路器(DS) | ○ | × | × |
高圧負荷開閉器(LBS) | ○ | ○ | ×(ヒューズと組み合わせ) |
高圧遮断器(VCB) | ○ | ○ | ○ |
この表からわかるとおり、遮断できる電流の大きさによって使い分けられており、上位の機能を持つVCBがあれば他の機器が不要というわけではありません。それぞれ設置コストと保護性能のバランスをとって組み合わされています。VCBの詳細は高圧遮断器(VCB)の役割と交換目安をご覧ください。
更新推奨時期の目安
機器 | 更新推奨時期の目安 |
|---|---|
断路器(DS) | 20年(または規定操作回数) |
高圧交流負荷開閉器(LBS) | 屋内15年/屋外10年(または規定開閉回数200回) |
出典:一般社団法人日本電機工業会「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(改訂版・2023年3月)
https://www.jema-net.or.jp/randb-archives/DS9201_202303.pdf
LBSはDSより短い更新推奨時期になっています。これは、LBSが負荷電流の開閉を繰り返すため、DSに比べて機械的な消耗が進みやすいためです。
よくある質問(FAQ)
Q. 断路器を電流が流れたまま操作するとどうなりますか?
A. アークが発生し、機器の損傷や感電・火災のおそれがある危険な状態になります。断路器の操作は、必ず該当回路を無負荷にしてから行う必要があります。
Q. LBSだけで短絡事故を防げますか?
A. LBS単体では大きな事故電流を遮断できません。多くの場合、限流ヒューズと組み合わせて短絡保護を行う構成になっています。
Q. DSとLBSはどちらの更新を優先すべきですか?
A. 一般的にはLBSのほうが更新推奨時期が短く、開閉頻度も高いため消耗が早い傾向があります。ただし実際の優先順位は、点検データと設置環境(屋内・屋外)によって判断する必要があります。
まとめ
断路器とLBSは似た形をしていますが、「電流を流したまま扱えるか」という点で明確に役割が異なります。それぞれの限界を理解したうえで、VCBと組み合わせた保護の全体像を把握しておくことが、安全な運用につながります。
さつき電気商会では、これらの開閉機器を含むキュービクル内部の点検・更新に、名古屋市港区を拠点に自社施工で対応しています。機器の役割や状態についてのご質問もお気軽にどうぞ。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。