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高圧遮断器(VCB)の役割と交換目安をプロが解説

高圧機器の各部位 高圧受変電設備の基礎知識

キュービクルの主遮断装置として使われるVCB(真空遮断器)は、事故電流を安全に遮断するための重要な機器です。この記事では、VCBの役割と、年数だけでは測れない寿命の考え方を解説します。

  • VCB(高圧遮断器)の役割

  • 真空遮断器の仕組み

  • VCBの更新推奨時期と開閉回数

  • 断路器・負荷開閉器との違い

高圧遮断器(VCB)とは?

VCB(Vacuum Circuit Breaker/真空遮断器)とは、短絡事故や地絡事故が起きた際に、大きな事故電流を安全に遮断するための機器です。キュービクルの主遮断装置として、受電点付近に設置されます。

断路器(DS)や高圧負荷開閉器(LBS)が通常の負荷電流の開閉を主目的とするのに対し、VCBは事故時の異常な大電流を遮断できる点が最大の違いです。この違いは断路器(DS)・高圧負荷開閉器(LBS)とは?役割と違いを解説で詳しく扱っています。

真空遮断器の仕組み

VCBは、高真空に保たれた容器(真空バルブ)の中で電極を開閉する方式です。真空中はアークが広がりにくく、消弧性能に優れているため、比較的コンパクトな構造で大きな電流を遮断できます。

かつて主流だった油遮断器や磁気遮断器と比べ、保守の手間が少なく、現在ではほとんどの高圧受電設備でVCBが採用されています。古い設備で油遮断器や磁気遮断器が残っている場合、部品供給が終了しているケースが多いため、早めの更新を検討する必要があります。

VCBの更新推奨時期は?

VCBの更新推奨時期は20年、または規定開閉回数のいずれか早いほうとされています。通常の負荷開閉ではあまり消耗しませんが、事故電流の遮断(過酷な条件での動作)を経験するたびに、真空バルブの消耗は進みます。

出典:一般社団法人日本電機工業会「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(改訂版・2023年3月)
https://www.jema-net.or.jp/randb-archives/DS9201_202303.pdf

つまり、単純な経過年数だけでなく「過去に何度、事故電流を遮断したか」も寿命を左右する要素です。過去に落雷や設備トラブルで遮断動作が多かった設備は、年数の目安より早い劣化が進んでいる可能性があります。

更新を判断する材料

  • 設置からの経過年数(20年が目安)

  • 過去の遮断動作回数(保守記録・事故記録)

  • 年次点検での動作試験結果

  • 真空バルブの真空度測定(専門的な診断)

  • 油遮断器・磁気遮断器など旧方式が残っていないか

よくある質問(FAQ)

Q. VCBと通常の開閉器(LBS)は何が違いますか?

A. LBSは通常の負荷電流を開閉するための機器で、短絡などの大きな事故電流を遮断する能力は基本的にありません。VCBは事故電流を安全に遮断できる点が最大の違いです。

Q. 20年経っていなくても交換が必要になることはありますか?

A. あります。過去に事故電流を遮断した回数が多い場合、規定の開閉回数に先に到達することがあります。保守記録や動作試験の結果とあわせて判断してください。

Q. 古い油遮断器が使われているかどうか、どうすればわかりますか?

A. 銘板の記載やキュービクルの図面で確認できます。判断が難しい場合は、現地調査の際に機器の型式を確認いたします。

まとめ

VCBは、事故が起きたときに初めて本領を発揮する機器です。普段は目立たない存在ですが、その分「本当に機能するか」を年数と保守記録の両面から確認しておくことが重要です。

さつき電気商会では、VCBを含むキュービクル内部機器の点検・更新に、名古屋市港区を拠点に自社施工で対応しています。古い方式の遮断器が使われているか不安な場合も、お気軽にご相談ください。

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監修:株式会社さつき電気商会 技術部

名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。

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