コラム

Column

計器用変成器(VT・CT)とは?高圧設備での役割を解説

高圧機器の各部位 高圧受変電設備の基礎知識

キュービクル内の電流計や電力量計は、6,600Vや数百アンペアといった値を直接測っているわけではありません。その間を取り持っているのがVT・CTと呼ばれる計器用変成器です。

  • 計器用変成器(VT・CT)とは何か

  • VTとCTそれぞれの役割

  • 保護継電器との関係

  • 更新推奨時期の目安

計器用変成器とは?

計器用変成器とは、高圧・大電流をそのまま測定できない計器や継電器のために、安全かつ扱いやすい大きさの電圧・電流に変換するための機器です。VT(Voltage Transformer/計器用変圧器)とCT(Current Transformer/計器用変流器)の2種類があります。

VT(計器用変圧器)の役割

VTは、6,600Vという高電圧を、一般的に110Vという扱いやすい電圧に変換します。この110Vの信号を電圧計や、後述する保護継電器に送ることで、高電圧に直接触れることなく電圧の監視や保護動作が可能になります。

CT(計器用変流器)の役割

CTは、数百アンペアにおよぶ大電流を、一般的に5Aという扱いやすい電流に変換します。電流計や電力量計、保護継電器はこの変換された電流を読み取ることで、実際の大電流の状態を把握します。

VT・CTと保護継電器の関係

VT・CTが変換した電圧・電流の信号は、単に計器の表示に使われるだけでなく、異常を検知して遮断器を動作させる保護継電器の「目」としても機能します。過電流や地絡といった異常は、VT・CTを通じて継電器に伝わり、そこで初めて「異常である」と判断されます。

つまりVT・CTの精度が保たれていなければ、保護継電器が正しく動作せず、事故時に適切な保護ができない可能性があります。保護継電器の仕組みは保護継電器(リレー)とは?高圧設備を守る仕組みで解説しています。

更新推奨時期の目安

計器用変成器(VT・CT)の更新推奨時期は15年とされています。密閉された構造の機器のため、外観からの劣化判断が難しく、経過年数と点検時の測定精度の変化をあわせて確認することが重要です。

出典:一般社団法人日本電機工業会「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(改訂版・2023年3月)
https://www.jema-net.or.jp/randb-archives/DS9201_202303.pdf

よくある質問(FAQ)

Q. VTとCTはどちらもキュービクルに必ず設置されていますか?

A. 保護継電器を動作させるため、多くの高圧受電設備でVT・CTの両方が設置されています。設備の規模や保護方式によって数や仕様は異なります。

Q. VT・CTが劣化するとどのような影響がありますか?

A. 測定値に誤差が生じたり、保護継電器が正しく動作しなくなったりする可能性があります。特に保護継電器と連動している場合、事故時の保護動作に影響するため注意が必要です。

Q. VT・CTの劣化は点検でわかりますか?

A. 外観からの判断は難しいですが、年次点検での保護継電器の動作試験や、絶縁抵抗測定を通じて異常の兆候を把握できる場合があります。設置からの経過年数もあわせてご確認ください。

まとめ

VT・CTは、高圧設備の「目」として、計測と保護の両方を支える機器です。地味な存在ですが、これらの精度が保たれていなければ、保護継電器も正しく機能しません。更新推奨時期の15年を目安に、経過年数を把握しておくことをおすすめします。

さつき電気商会では、VT・CTを含む高圧機器の点検・更新に、名古屋市港区を拠点に自社施工で対応しています。設備の構成についてのご質問もお気軽にどうぞ。

関連記事

監修:株式会社さつき電気商会 技術部

名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。

CONTACT

お問い合わせ

高圧設備の更新・点検・修理のご相談は

調査・お見積りは無料で承ります。まずは現状をお聞かせください。

call お電話でのお問い合わせ
TEL : 052-398-6777

受付時間:9:00 - 18:00(土日祝休)

mail メールでのお問い合わせ

お問い合わせフォームへ