保護継電器(リレー)とは?高圧設備を守る仕組み
高圧設備の安全は、機械的な機器だけでなく、異常を判断する「頭脳」の役割を持つ保護継電器によって支えられています。この記事では、保護継電器の種類と仕組み、整定値の重要性を解説します。
保護継電器とは何か
代表的な保護継電器の種類
整定値がなぜ重要か
更新推奨時期の目安
保護継電器とは?
保護継電器とは、VT・CTから送られる電圧・電流の信号をもとに異常を検知し、遮断器や開閉器に「開放せよ」という指令を出す機器です。英語では「リレー」と呼ばれ、設備の安全を守る頭脳的な役割を担います。
代表的な保護継電器の種類
種類(略号) | 検出する異常 |
|---|---|
過電流継電器(OCR) | 定格を超える過大な電流(短絡事故など) |
地絡継電器(GR) | 大地への漏れ電流(地絡事故) |
地絡方向継電器(DGR) | 地絡事故の発生方向(構内か構外か) |
不足電圧継電器(UVR) | 電圧の異常な低下(停電の検出など) |
比率差動継電器(RDR) | 変圧器内部の異常(変圧器の一次・二次電流の差) |
PASに組み込まれるGR・DGRについてはGR付きPASとは?波及事故を防ぐ仕組みで、キュービクル内のOCRが動作して遮断器を開放するまでの流れについては高圧遮断器(VCB)の役割と交換目安もあわせてご覧ください。
整定値がなぜ重要か
保護継電器は、「どのくらいの電流・電圧で、どのくらいの時間をかけて動作するか」をあらかじめ設定します。これを整定値と呼びます。
整定値が適切でないと、正常な運転を異常と誤判断して不必要に停電させてしまったり、逆に本当の異常を見逃して機器の損傷を拡大させてしまったりします。設備の容量変更や機器の更新を行った際は、整定値の見直しが必要になる場合があります。
例えば、変圧器の容量を増やした場合、通常運転時の電流値も変わるため、それに合わせてOCRの整定値を調整しないと、正常運転中に誤って遮断してしまう可能性があります。容量変更を伴う工事の際は、整定値の確認・調整も忘れずに行う必要があります。
更新推奨時期の目安
保護継電器の更新推奨時期は15年とされています。電子部品を含む機器のため、経年による特性のずれ(整定値どおりに動作しなくなる)が生じる可能性があります。
出典:一般社団法人日本電機工業会「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(改訂版・2023年3月)
https://www.jema-net.or.jp/randb-archives/DS9201_202303.pdf
よくある質問(FAQ)
Q. 保護継電器はどのくらいの頻度で試験すべきですか?
A. 年次点検の中で動作試験を実施するのが一般的です。頻度や試験内容は保安規程によって定められているため、契約している保安管理事業者にご確認ください。
Q. 整定値は誰が決めるのですか?
A. 設備の容量や構成に応じて、電気主任技術者や設計者が計算・設定します。設備を変更する際は、整定値の見直しが必要かどうかもあわせて確認する必要があります。
Q. 保護継電器が古いとどのような問題がありますか?
A. 経年劣化により、設定した整定値どおりに動作しなくなる可能性があります。事故時に正しく機器を保護できないおそれがあるため、更新推奨時期を目安に状態を確認することをおすすめします。
まとめ
保護継電器は、異常を検知し適切な保護動作を判断する高圧設備の頭脳です。機器そのものの経年劣化に加え、整定値が設備の実態と合っているかどうかも重要な確認ポイントになります。
さつき電気商会では、保護継電器の点検・更新、整定値の確認・調整に、名古屋市港区を拠点に自社施工で対応しています。容量変更を伴う工事の際も、整定値まで含めてご提案いたします。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。