工場の新設・増設で必要な高圧受電設備とは?計画の進め方
工場や倉庫を新設する際、あるいは既存施設に生産ラインを増設する際、高圧受電設備の計画は建物本体の設計と同じくらい早い段階から始める必要があります。この記事では、計画の進め方と検討すべきポイントを解説します。
高圧受電設備が必要になる条件
計画に着手すべきタイミング
設計時に検討すべきポイント
計画から稼働までの流れ
高圧受電設備が必要になる条件
新設・増設する設備の使用電力が、契約電力で概ね50kWを超える見込みの場合、高圧受電設備(キュービクル)の設置が必要になります。この境界の考え方は高圧と低圧の違いとは?50kWで変わる受電方式と保安義務で解説しています。
工場の新設では、生産設備の消費電力、空調設備、照明などを合算した使用電力を見積もり、高圧受電が必要かどうかを早期に判断する必要があります。
計画に着手すべきタイミング
高圧受電設備の計画は、建物の設計段階、できれば基本設計が固まる前から並行して進めることが望ましいです。理由は次のとおりです。
キュービクルの設置スペースを、建物のレイアウトに組み込む必要がある
電力会社との協議・申請には一定の期間がかかる
キュービクル本体は受注生産のため、製作期間の確保が必要
搬入経路や基礎工事を、建築工事の工程と調整する必要がある
建物が完成してから電気設備の計画を始めると、設置スペースの確保が難しくなったり、工期が延びたりするリスクがあります。
設計時に検討すべきポイント
検討項目 | ポイント |
|---|---|
受電容量 | 現時点の使用電力だけでなく、将来の増設余地も見込んで設定 |
設置場所 | 地上・屋上・電気室など、保守のしやすさと将来の更新工事のしやすさを考慮 |
キュービクルの方式 | 屋内用・屋外用、変圧器の種類(油入・モールド)の選定 |
力率対策 | インバータ機器が多い場合、進相コンデンサ・直列リアクトルの検討 |
停電対策 | 非常用発電機や無停電電源装置(UPS)の要否 |
受電容量は「現状ぴったり」ではなく、将来の増設余地を持たせて設計することをおすすめします。後から容量を追加する場合、再度大掛かりな工事が必要になるためです。倉庫・物流施設での増設事例は倉庫・物流施設で電気容量が足りない時の増設工事とはもご参照ください。
計画から稼働までの流れ
使用電力の見積り、受電容量の検討
設置場所・キュービクル仕様の設計
電力会社への申請・協議
キュービクルの製作・調達
基礎工事、据付工事、配線工事
試験・電力会社立会いのもとでの受電開始
電力会社への申請手続きの詳細は電力会社への高圧受電申請の流れとは?必要な手続きを解説で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 工場の設計はいつから電気設備業者に相談すればよいですか?
A. 基本設計の段階から並行してご相談いただくことをおすすめします。設置スペースの確保や電力会社との協議には時間がかかるため、早いほど計画に余裕が生まれます。
Q. 将来の増設を見込んだ容量設計は可能ですか?
A. 可能です。現状の使用電力だけでなく、将来の設備投資計画も踏まえて、余裕を持った容量設計をご提案いたします。
Q. 建築設計事務所と電気工事業者、どちらに先に相談すべきですか?
A. どちらでも構いませんが、早い段階で両者が情報を共有できる体制が理想的です。建物の設計と電気設備の計画は密接に関わるため、連携して進めることをおすすめします。
まとめ
工場の新設・増設における高圧受電設備の計画は、建物本体の設計と同じタイミングで始めることが、スムーズな工事とスペースの有効活用につながります。将来の増設余地も見込んだ容量設計が、後の二度手間を防ぎます。
さつき電気商会では、工場・倉庫の新設・増設における高圧受電設備の設計から施工、電力会社との協議まで、名古屋市港区を拠点に一貫して対応しています。計画の初期段階からお気軽にご相談ください。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。