倉庫・物流施設で電気容量が足りない時の増設工事とは
近年、物流施設では自動搬送ロボットや大型の冷凍・冷蔵設備の導入が進み、当初の設計時には想定していなかった電気容量の不足に直面するケースが増えています。この記事では、倉庫・物流施設での電気容量増設の考え方を解説します。
倉庫・物流施設で容量不足が起こる原因
容量不足のサイン
増設工事の進め方
自動化設備導入時の注意点
倉庫・物流施設で容量不足が起こる原因
倉庫・物流施設は、当初は照明と最小限の設備だけで設計されることが多く、その後のテナント入れ替えや自動化投資によって、電力需要が想定を超えて増えるケースが目立ちます。
自動搬送ロボット・自動倉庫(AS/RS)の導入:モーター負荷が大幅に増加
大型冷凍・冷蔵設備の導入:常時稼働する大容量負荷
EV充電設備の設置:物流車両の電動化にともなう新たな電力需要
テナントの増加・変更:区画ごとの電力需要の想定が当初と変わる
容量不足のサイン
デマンド値が契約電力に対して慢性的に高い水準で推移している
新しい設備を導入する際、既存のブレーカーやキュービクルの容量では対応できないと指摘された
複数の設備を同時稼働させると電圧降下や瞬時停電が発生する
デマンド値の確認方法や見直しの考え方は受電設備容量の見直しとは?高圧・低圧切り替えの判断ポイントで解説しています。
増設工事の進め方
将来需要の算定:導入予定の設備の消費電力を積み上げ、必要な容量を試算
既存設備の診断:現在のキュービクルの容量、増設の余地(スペース・変圧器の予備容量)を確認
増設方針の決定:既存キュービクルへの機器追加か、新たなキュービクルの増設か
電力会社との協議:契約電力の増加にともなう申請
工事の実施:稼働中の施設であれば、テナントの営業への影響を最小限にする工程計画が重要
稼働中の施設での工事は、停電の範囲や時間帯の調整が特に重要です。工事の流れはキュービクル更新の工事の流れとは?停電を最小限にする進め方も参考になります。
自動化設備導入時の注意点
自動搬送ロボットやAS/RSといった自動化設備は、起動時に瞬間的に大きな電流(突入電流)が流れる特性があります。単純な消費電力の合算だけでなく、こうした特性を踏まえた設計が必要です。
また、複数の自動化設備を同時に導入する場合、稼働のタイミングが重なると瞬間的な電力ピークが跳ね上がることがあります。設備の稼働シーケンス(順番に起動させるなど)の検討も、電気設備の設計とあわせて行うことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 現在のキュービクルのままで容量を増やすことはできますか?
A. 既存のキュービクルに予備スペースや余裕がある場合は、変圧器の増設などで対応できることがあります。余裕がない場合は、新たなキュービクルの増設や更新が必要になります。現地調査で判断いたします。
Q. テナントが入居した状態でも増設工事はできますか?
A. 対応可能です。停電の影響範囲を最小限にする工程計画や、休日・夜間の施工を組み合わせてご提案いたします。
Q. 将来の自動化投資を見込んで、今のうちに容量を確保すべきですか?
A. 具体的な導入計画がある場合は、あらかじめ余裕を持った容量設計をしておくと、将来の工事回数を減らせます。計画段階でのご相談をおすすめします。
まとめ
倉庫・物流施設の電気容量不足は、自動化投資やテナント変化によって当初の想定を超えて発生することが増えています。将来の設備投資計画を早めに共有いただくことで、無駄のない増設計画をご提案できます。
さつき電気商会では、稼働中の物流施設での増設工事にも、名古屋市港区を拠点に対応しています。自動化設備の導入をご検討の際は、電気設備の面からもお気軽にご相談ください。
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監修:株式会社さつき電気商会 技術部
名古屋市港区を拠点に、工場・倉庫の高圧受変電設備の設計・施工・更新を自社施工で手がけています。